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2013-07-08
ジョンです。
船橋の民話を勝手に紐解き、
その場所を一方的にレポする「みんわのふなばし」
「村上昭三著 船橋の民話」を参照に、
昔から語り継がれてきた民話の紹介と、
その舞台となった場所に実際行ってみて、
「あーなるほどーここかー」
と思うだけの誰得企画です。
さー、今回も「海」にまつわる民話です。
さすが漁業で栄えた町だけあって、
海関連の民話が豊富なんですよねー。
その中でも、夏向きな、ちょっと涼しくなるお話をご紹介します。
╋╋ 船橋浦の亡霊 ╋╋
むかし、船橋浦で、一人の漁師が熱心に魚を獲っていました。
余りの大漁で帰りがすっかり遅くなりました。
そこで、船橋大神宮の森にある灯明台の火の光を目当てに、
暗闇の中で櫓を漕ぎはじめました。
船が滑りだして間もなくのことでした。
船縁のすぐ近くで
「水をおくれ、おらに水を飲ましておくれ」
と、蚊の鳴くような微かな声が聞こえてきました。
漁師は辺りをきょろきょろ見ました。
しかしだれもいませんでした。
漁師は気のせいだと思い、再び漕ぎはじめました。
すると、また
「早く、早くおらに水をくれ」
と、先刻より大きな声で言いました。
漁師は不思議に思い、首を傾けながら、
「おーい、誰かいるのかい」
と声をかけました。
返事はありませんでした。
仕方なく櫓を漕ぐ手を休め、水桶から柄杓で水をくみ、
声のするほうにやりました。柄杓はすーっと消えました。
そして船縁のあたりで、
「おお、うめえ、これはうめえ」
と言いながら、水をペチャペチャと飲む音が聞こえてきました。
漁師はしばらくの間ポカーンとしていました。
次に何やら寒気がして、急いで船を漕ぎはじめました。
すると水を汲んでやった柄杓で、船に海水を入れ始めました。
ここで、初めて船橋浦の亡霊の仕業に気がつきました。
漁師はがたがたと震え、顔を真っ青にして、
「こらっ!何をするんだ。おれの船を沈める気か。止めてくれ」
と大声で叫びました。
それから漁師は、姿の見えない亡霊の持つ柄杓を、
手で力一杯振り払いました。
さらに乗ってる船に山と積んでいた魚を、
両方の手で素早く海中に投げ捨て、
飛ぶようにして逃げ帰ったということです。
╋╋ おしまい ╋╋
このお話を読んで、
『船幽霊に出会ったら底の抜けた柄杓を渡せ』
というルールに関する長年の疑問が解けました。
柄杓を使って船に海水を入れていたずらされるからなんですね。
超納得。
でも、疑問が一つ解明されたと思ったら、
また一つ疑問が増えちゃったんです。
それは文の冒頭、
『~船橋大神宮の森にある灯明台の火の光を目当てに、
暗闇の中で櫓を漕ぎはじめました』
の部分です。
船橋浦から、大神宮の灯明台が見えるんでしょうかね?
という事で、とりあえず、三番瀬に行ってみました。
…まー、行った日は天気悪かったってのもあるんですけど、
沖から見るわけじゃないし、砂浜からだと
どこが大神宮だからわかんないしで、すごすごと帰ってきました。
うーん。
実際に沖に出た人じゃないとわかんないですよねー。
なんて思いあぐねていた時に、再び「焼肉やまと朝市」で
「でっかいご褒美」の時にお話を伺った内海さんがいらしたので、
「これこれこーゆう民話があるんですけど、
三番瀬の沖から船橋大明神の灯りって見えたんでしょうかね」
と聞いてみたところ、
「見えると思いますよ」
との明朗回答。
当時は町の灯りも東京湾の灯りもなかったので、
灯明台の灯りはちゃんと見えたんじゃないか、というお話でした。
なるほどー。
灯明台の灯りがあるからこそ、
民話に出てきた漁師さんのように、
うっかり真っ暗になっても灯りが目印になったんですね。
内海さんまたまたありがとうございましたー。
とりあえず、現代で船幽霊にあったら、
テニスラケットつんどけば安心ですね。
あ、金魚すくいのモナカとかでもいいかも!
あれなかなか救えませんからねー。
船幽霊もイライラしますよ!きっと。
謎がいろいろ解明したところで、
今回のお話はめでたしめでたし。
さー。次は何をご紹介しましょうかねー。
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